愚老庵愚老庵

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「縁友往来」開設に寄せて

Akira Ishibe

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石部 顯 1955年、岡山県津山市生まれ。 子供の頃、自閉症で苦労するが、高松稲荷で祈ったところ、特別支援学級の知的レベルから、10年後に東大に入り心理学を研究することへ導かれた。1980年卒業。 人間の意識が秘める力、自分を超えた大きな力が存在すること、その二つが共鳴することで開かれる、皆が幸せになる道を探究し伝えている。 最新科学と古代の叡智、東洋と西洋の文化を統合し、日本の自然・文化・こころの真価を日本の若い人たち、アメリカ人に伝えてゆきたいと願っている。 その一環として著書『真理大全 真理篇 科学篇 思想篇』を、今秋に刊行予定。
「縁友往来」開設に寄せて

ハーバード大学が、70年以上に渡って様々な階層の人々を追跡調査した結果、人間が幸せを感じるのは、金持ちになることでも社会的成功を収め、名誉を得ることでもなく、心置きなく語り合える少数の友人を持つことであると結論づけている。

「一花、一世界」━。一つの花に、一つの世界があるように、私たち一人ひとりが人生で抱く経験と想い出の数々は、果てしなく広く深く豊かであり、宇宙に、唯一のかけがえのない世界である。その一人の世界と交流することこそ、自分とは違う個性の人々と出会い、交わることができる人生の醍醐味であり、最高の喜びだと思う。そのために、私たちは生まれてきたと言っても過言ではないのだろう。

60代半ばも過ぎると、「これは本当だな」と自然に胸に落ちてくることがある。その一つが、「ご縁」の有り難さだ。人生で何か成せたことがあるとすれば、様々な方に支えられ助けられ、初めて実現したものばかりである。時代と縁の波に乗ってできたものであることが見えてくる。

もう一つ、腑に落ちることが、「友だち」の有り難さだ。中学の英語で、“ A friend in need is a friend indeed.” まさかの時の友が、真の友という諺を習ったが、これは本当だった。人生で、失敗、挫折、苦難、試練、危機は誰も避けられない。極限、逆境でこそ分かる真実があり、最も辛い時に、共にいてくれた友がいる。その有り難さを想うと、心は安らぎ幸せになる。

ブッダは、人生で出会う縁のある人は、生まれる前から決まっていて必要と必然のある時に出会いとなって結ばれるという。石川さんとのご縁も、半世紀近くになるが、私にとっては、魂の中心がつながり共鳴する永遠の友であり、今なお深まる縁の不思議に、驚き感謝している。これより、「縁友往来」を通して、新たなご縁が開き、結ばれ、花開く未来が、心から楽しみである。人生で友と出会い心開いて腹の底から語り合える喜びは、最高の至福の一つだと思う。

「縁友往来」開設を祝し、言葉を贈ります━。
人は、出会うために生まれてきた。人生の深さは、どれほど深く人生を愛し、一つ一つの出会いと出来事を深く味わえるかにかかっている。

          The reason why we were born is to encounter other souls deeply in this wonderful world.
          The depth of life depends on how deep we love our own life and savor each encounter and event given in life. 


2024年6月24日

石部 顯 Akira Ishibe

2024/6/24

Tags:メッセージ

Comment

  • So Ishikawa:
    2024年6月24日

    振り返れば、私の人生は、地位、財産、名誉とはあまり縁がありませんでした。でも私は今、とても幸せです。それはAkiraさんのおっしゃるように、心を開いて語り合える「善友」に恵まれているからです。

    類は友を呼ぶという諺がありますが、自分の欲望や外面を飾るものを求めていると、それを求めている人とばかり出会うことになります。そこに心の安らぎはありません。

    本当の安らぎを求めて心の内面に向かう時、人は初めて「善友」と出会うことできるのではないでしょうか。歳を重ねると、そのことが身に染みてよくわかります。

    善友を求めるのに、遅すぎることはありません。愚老庵が善友と出会える新たなステージとなリますように。

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