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日本の国・文化・人を創った聖徳太子「気の学問」

闇の奥に光があり、光の内に闇がある。
悲苦の奥に喜楽あり、喜楽の内に悲苦がある。
時の流れと縁により、万華鏡のように変化する
極大の宇宙の星々、極微の素粒子、地球、自然、
人、国、文化一切、全体を貫く万物の法則がある。
☆ 画像は、法隆寺五重塔(高島野十郎作)。聖徳太子の「気の学問」に
基づく免震構造の智慧は、東京スカイツリーにも生かされている。
大工が使っている矩尺(かねじゃく。直角に曲がったものさし)は、
聖徳太子が作られた。大工は、代々、太子を祀り、信仰してきた。
聖徳太子が、日本の国を創られる際に使われた東洋の叡智がある。
それを、「大気現象学」(気の学問)と呼ぶ。その後、宮中に伝えられ陰陽師(安倍晴明)などを経て、今日まで宮中に伝承されている。途中、武士道にもなり、徳川家康、吉田松陰、戦後は吉田茂などが用いている。
(歴代総理の指南番、陽明学者・安岡正篤も使っていた。)
私は、二十代前半に、東京・谷中の全生庵(山岡鉄舟が建立)で、出会った禅僧・山中宗睦老師(臨済宗)より、この教えを伝授していただいた。「気の学問」は、京都や江戸の都市づくりにも活用されている。京都は千数百年の時を超えて栄え、東京は世界一のメガポリスとして今も繁栄を謳歌している。それにはそうなる理由があった。
宇宙自然に満ちて動かすエネルギー、「気」の法則に順って、末永く栄えるために必要な土地の自然環境条件を見定め、信仰を集める中心地で強い磁場を持った社寺を配置し、総合的に人と都市が、一時でない持続可能社会として永続的に繁栄するように智慧が尽くされている。
風水の智慧も聖徳太子の「気の学問」に含まれている。
インド・中国の思想と日本の神道を含めて統合・結晶した「自然の法則」によって日本の土台を創り、国を治め、経済・文化・社会に永続的な繁栄をもたらした。その余慶は、今なお私たちの生活を支え、「活気」づけている。
経済という言葉は、「経世済民」から生まれた。それは、天の摂理で世を治め、民を済う意味━その帝王学こそが聖徳太子の「気の学問」であり、法隆寺は当時、それを含め最先端のあらゆる学問を学ぶ場として、聖徳太子が建てられた。ゆえに正式には、「法隆学問寺」と呼ぶ。
したがって、これは巷の占いではない。帝王学(指導者・リーダーシップ論)、運命向上の道である。今日まで、「気の学問」と心理学に基づいて、数千人の方の人生と仕事の相談に応じてきたが、一人一人の先天的な気質、天賦の才(天才)、生命のリズム(運気)に応じて総合的にアドバイスをする。大切なことは、その人が人として成長する土台の上に、幸せと繁栄が実現される点である。
今回は、聖徳太子が始められて、日本文化と私たち日本人の生活の隅々にまで浸透し影響を与え続けている「自然法則」━気の学問から、宇宙・自然が教える「七つの法則」を取り上げたい。心を旅するガイドとして、日本文化の奥深さを味わう、一助となれば幸甚である。
なお、これらの法則は、すでに皆さんの遺伝子と潜在意識に組み込まれている智慧であり、実は、思い出していただければ、よいだけなのである。そのことを初めにお断りしておきたい。したがって、すでにこの智慧の一端を生きておられる方も多くいらっしゃるので、その方には、より深く確認し、味わう縁となれば幸いである。
◎聖徳太子が遺された「七つの自然法則」
1.心は魂に根差し、宇宙・自然とつながり、共鳴するものである。
心の力を開けば、宇宙と響き合って働く可能性を誰もが持っている。
古来より、東洋思想は、人の内側と外側を構成しているエネルギー(気)は、同質のものとみなしてきた。内側の気と外側の気が合い通じて一つの働きをする。したがって、心が汚れれば、環境も汚れ、自然環境が汚れれば、心身も汚れる━。美しい風土では、心も美しくなる。
宇宙・自然には、森羅万象に秩序があり、すべての事象が調和し、究極バランスをとる不滅の型、すなわち自然法則がある。気の学問は、この法則についての学問である。中国思想の「十干十二支」は、種が撒かれて次第に成長し、花が開き実をならせ、やがて種に戻って再起する樹木の過程を人間の成長に当てはめたもので、人間形成の全容が説かれている。
そして、自然と一体となり、自然に適応してゆく生き方、自然現象と為政者の政治・道徳の生き方を一致させてゆく思想が生まれた。意識のリズムと人生のリズムは、九年周期で巡り、大きくは干支が組み合わされた六十年で循環するため、これを「還暦」と言う。
2.肉体を構成する極微の素粒子から、宇宙大に広がる極大の世界に
至るまで、すべてそろって初めて、人間は、今を生きることができる。
素粒子レベルでは、人間の肉体と自然環境、宇宙の果てまで一つにつながっている事実が、科学的に明らかになっている。東洋思想が、量子力学の創始者たちに重要なアイデア、インスピレーションを与えた事実は特筆すべきである。今の科学では証明されていない古代の叡智が、数多くあるのが実態である。科学の深化が、望まれている。
3.心の世界には、時間と空間の限界は存在しない。心に抱かれる想念
は、瞬時にあらゆる世界に通じる(一つの念は、三千世界に通じる)。
意識の変化が、脳を変え、環境に影響を与えることが科学的にも証明されている。意識が物理的に環境に影響を与えることは、極微の世界でも明らかにされてゆくことだろう。また、一人の意識が、他の人々の意識に影響を与え、響き合ってゆく実態の研究も、今後、さらに進んでゆくに違いない。仏教に一念三千(いちねんさんぜん)の法則がある。人間の意識に抱かれた一つの念は、物質世界だけでなく無数の精神世界につながり、無限の世界に影響を与えると見る自然法則である。
4.古来、多くの求道者たちが、自然との共鳴により悟りを得、新たな
境地を開いてきた。悟るには、ふさわしい場所がある。
聖徳太子の「気の学問」を初め、古代の学問は、「天(神仏)に問う」ものであり、天を仰ぎ、地に伏して自然からの天啓(インスピレーション、アイデア)を求めるものであった。本来、人間として、魂として成長することが教育の原点である。感覚・感情・思考・意志のどれか、あるいは幾つかに、天から与えられた「天分」「天賦の才(天才)」がある。それを育て開花する歩みを通して、魂の願いを知り、使命として果たし、社会・世界に貢献する道であった。今の教育は思考(記憶)に偏りすぎている。古来、日本の教育、吉田松陰も含め行ったのは、聖徳太子の「気の学問」に基づく、一人ひとりの先天的能力を開くための天才教育であった。
5.内宇宙と外宇宙は、見えないつながりで結びついている。
人が自然法則のリズムに一致して生きる時、宇宙との協働が起きる。
これを古人は、「天の時・地の利・人の和を得る者は栄える」と言った。花は、梅の後に桜が咲き、五月、紫陽花、夏に向日葵、秋に菊が咲く。自然の法則に順って、それぞれの花が、適切な時期に花を咲かせる。渡り鳥、サケの遡上も同様。人間を含めすべての生命は、地球の自転・公転による磁気波動の影響と力で生かされている。
「宇宙根源の力は、宇宙の秩序(法則)を通じて、われわれ人間に限りない繁栄を与えている。私たち人間は、この宇宙秩序に素直に順応すれば繁栄を得るが、これに背けば、一時は栄えるようなことがあっても、結局いろいろな障害が起こってきて、ついには行きづまるということになる」(松下幸之助)。
天から与えられたものに順って、それを生かし、自然からのメッセージに心の耳を傾け、自然の法則に素直に順って生きる道こそが、経営であれ、家庭であれ、人として豊かに成長して大成する秘訣だというのだ。
6.人間の命のエネルギーは、与え合うことにより新たに湧き上
がり、そのエネルギーは、無限大になる。
愛、慈悲、智慧には、与えると増える法則がある。「縁起」とは、人と人、人と自然、人と世界とが愛で結びついていること。自業自得は、善(光)にも言える。愛は、巡って無限に増大する━自然法則である。
情けは人の為ならずという。愛念と慈しみ、善意は、すべて巡り巡って自分に還ってくる。愛で始まり、愛が巡り巡って、すべてが愛でつながり調和した状態が、最高の「無為自然(むいしぜん)」。仏教の「涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)」につながる。
7.祈りは、大いなる存在とつながり交わる手段。自分を超え、
高次の感情や思考に身を委ねる道であり、心の旅路に無限の
可能性を開く鍵である。
人事を尽くして天命を待つ、とは、人としての愛と智慧の限りを尽くして、自然法則のリズムと一体になってゆくことである。私たちは、祈り心によって自然の叡智とつながり、天の意に使われ協働して、神仏の智慧とともに動くことが可能となる。祈りを通して、神仏の意思に共鳴して一体となる時、本当の願い、使命、天命がより明らかに思い出されてくる。そして、その実現へと導く「気の流れ」(見えない力)に乗って道が開かれることになる。
聖徳太子の「気の学問」は、祈りによって神仏と融合し、天命を果たす道であり、千年の時を超えて日本文化の精華を開いてきた叡智である。聖徳太子が結集された、この古代からの智慧こそが、21世紀に、物質文明と精神文明の調和・バランスをとり、新しい東西の文明が融合した文明を創るための鍵になると確信している。
■参考文献 『聖徳太子が遺してくれた成功の自然法則』徳山輝純著
『心の力』高橋佳子著
2025/10/25



Comment
Akiraさま
聖徳太子の「気の学問」の存在、初めて知りました。今回も、埋もれている魂の叡智を紹介していただき、本当にありがとうございます。
聖徳太子が残してくれた「7つの自然法則」は、私の心の奥深くにまで響き、魂を共振させてくれました。
聖徳太子が結集された、この古代からの智慧こそが、21世紀に、物質文明と精神文明の調和・バランスをとり、新しい東西の文明が融合した文明を創るための鍵になると確信している。
この鍵を手にした人たちによって、新しい文明が拓かれることを私も信じたいと思います。
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