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愚老庵ノートSo Ishikawa

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この世とあの世 Part 1

この世とあの世 Part 1

妻の姉が「あの世」へと旅立ちました。71歳、惜しまれながらの少し早い旅立ちでした。葬儀の時、火葬場で小学生の孫が、いきなりこう問いかけてきました。「ねえ、死んだらどうなるの?」

「体は焼かれて灰になるけど、バアバの魂は生きている。目には見えないけど、心の中で思えば、いつでもお話しできるよ」咄嗟にこんなことを答えてしまいました。

死んだらどうなるのか。今、この問いにきちんと答えられる大人はどのくらいいるのでしょうか。

この問いに対する答えは、人間という存在は肉体がすべてと考えるのか、肉体と魂でできていると考えるのかによって。全く違ってくるのではないでしょうか。

現代科学の洗礼を受け、目に見える物質の世界がすべてと信じている人は、死んで肉体が滅んだら、すべてが無くなると答えるかもしれません。学校などの公教育の場でも、霊魂の存在は否定されています。

しかし、人類の悠久の歴史から見ると、科学技術による物質文明の時代は、ほんの束の間にしかすぎません。

古代、エジプトやチベットには、死に臨む人の魂を安らかに死後の世界に導くための「死者の書」が存在していました。

仏教は、人の魂は、死後に三途の川を渡って浄土に行くか、生まれ変わって六道( 天 / 人間 / 修羅 / 畜生 / 餓鬼 / 地獄 )を転生輪廻すると説いています。

キリスト教は、信仰を持った者の魂は天国に召され、キリストが再臨する最後の審判の時に、永遠の命と体を与えられて復活すると説いています。

イスラム教も、同様に死後の復活と永遠の命について説いています。

宗教は「死後の世界」についての情報の宝庫です。しかし現代に生きる私たちは、その情報を積極的に知ろうとはしません。それは、私たちが自分が実際に体験した目に見える世界しか信じられなくなってしまったからなのかもしれません。

私は霊魂の存在を信じています。それは、20代の頃にある体験をしたからです。「幽体離脱」という現象をご存知でしょうか?

それは、魂が肉体から離脱して、上から自分を見下ろしているという体験でした。一瞬、夢を見ているのではないかと思いましたが、周囲の状況は肉眼で見るのと同じようにリアルに見えていました。周囲の音も聞こえていました。

何が起こったのか知るために、私は臨死体験をした人や霊魂の世界とコンタクトした人について書かれた本を読み漁りました。

体験者が語る「死後の世界」は、そのひとつひとつにリアリティがありました。しかし、それらの世界は、その人が体験した世界であり、失礼な言い方になるかもしれませんが、「群盲象を撫でる」という感じで、何が真実なのかよくわからなくなってしまいました。

そんな時に出会ったのが、スエーデンボルグの著作でした。スエーデンボルグは17世紀の科学者であり知識人で、肉体を離脱して霊界を探訪し、その体験を大量の著作に残したことで知られています。

この著作は、ゲーテやドストエフスキー、ヘレンケラー、鈴木大拙、内村鑑三をはじめ、時を超えて多くの先人達の死生観に大きな影響を与えたと言われています。

スエーデンボルグの著作に私が何よりも感動したのは、肉体と魂、物質界と霊界という二つの世界の関係、「この世」と「あの世」の全体像が、明確に開示されていたことです。やっと求めていたものに巡り会えたと感じました。

死後、肉体がなくなっても魂としての意識はそのまま残り、導きの霊によって精霊界に導かれる。そして自分の人生を振り返り、そこから「自分の意識に相応した世界」へと旅立ってゆく。行く先は、天国、霊国、地獄の3つの霊の世界。そこには、無数の霊の村が存在している。

スエーデンボルグが開示してくれたこの「世界の姿」を、私は抵抗なく信じることができました。

妻の姉は、肝臓癌のステージ4の告知を受けてから二年の間、闘病生活を続けていました。死の不安を抱えた姉に、この「スエーデンボルグの世界」を伝えたいと思いました。

しかし、回復を信じて気丈に頑張っている姉の姿を前にすると、なかなか「死後の世界」の話をすることができませんでした。

「死ねばすべてが終わるわけではありません。肉体がなくなるだけで、自分の意識はそのまま残りますから、怖がらなくて大丈夫。死は魂の新しい旅立ちです。守護霊が魂の故郷へと導いてくれます」

「この世の物質的な欲望に執着すれば地獄へと向かい、神の存在を信じ、人の役に立とうとすれば天国に向かいます。これまでの人生を振り返って、どうか後悔しないように、自分が赴く世界を選んでください」

そんな想いを伝えたかったのですが、私が逡巡しているうちに義姉は逝ってしまいました。

何が真実かは、死ねばわかることです。しかし、生きているうちに「この世」と「あの世」の関係を知れば、死を怖れることは無くなります。何を大切にして生きるのか、残りの人生が変わるかもしれません。

周囲の友人達も高齢化し、死が身近なものになってきました。「生きているうちに伝えたかった・・・」この後悔を、また繰り返したくはありません。

あぶない奴と思われようと、ボケが始まったと思われようと、これからは大切な人たちに、この世界を伝えていきたい。そう決意しました。

肉体を離れた義姉は、こんな私の気持ちをキャッチして、小学生の孫を通して私に問いかけてくれたのかもしれません。

「ねえ、死んだらどうなるの?」 この問いの向こうに、一瞬、義姉の笑顔が見えたような気がしました。

NATURE通信 Jun.2022 天と地の狭間
https://nature-japan.com/post_nature/tsushin-jun2022-6/

 

スエーデンボルグは膨大な著作を残しました。その一部が日本語訳で出版されていますが、どれを読めばいいのか選択に迷います。初めての方には、この世とあの世の仕組みをトータルに解説した「霊界」(全3巻 中央アート出版)をお薦めします。ぜひご一読ください。

http://www.chuoart.co.jp/book/b9030.html

2022/6/21

Tags:内宇宙の旅

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