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愚老庵ノートSo Ishikawa

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失われた星空

失われた星空

「NATURE で夜空の星は撮らないのですか」いつもNATURE通信を視聴してくださっている方からこんな質問をいただきました。

都会を離れ、人工の光が届かない高いところまで行くと、こんなに星があったのかと思うほど多くの星々が、燦然と夜空に輝いています。

満天の星空を見上げた時、自分の本当の故郷がそこに存在しているかような、言いようのない懐かしさを感じます。そして、自分がいかにちっぽけな存在であるのか、宇宙への深い畏敬の念が湧いてきます。

星空は、壮大なNATUREです。しかし、このスケールと深遠さをカメラで伝えようとしても、私には到底無理です。誠に申し訳ありませんが、満天の星空は、ぜひリアルな本物と対峙していただきたいと思います。

「智恵子は、東京には空が無いと言う。本当の空が見たいと言う」高村光太郎は「智恵子抄」で、こう記述しています。この詩集が出版されたのは1941年です。それから80年、東京には「本当の星空」も無くなってしまいました。

現代の科学技術文明は、快適で安全な暮らしを実現するために、生活空間を隅々まで明るく照らし出しました。そして、地上を覆うこの人工の光のベールが、天空に拡がる星々を見えなくしてしまったのです。

いつしか私たちは、都会に渦巻く巨大な欲望のエネルギーが、その遥か彼方に存在する「もうひとつの世界」を見えなくしてしまっていることを、全く気にかけなくなってしまいました。

人工の明るい光が存在しなかった時代、星空は身近なところにありました。その下で生きた人たちは、人智をはるかに超えた満天の星空に「神さま」の気配を感じながら、日々の暮らしを営んでいたのではないでしょうか。

現代文明が物質の世界を隅々まで明るく照らし出し「外界」を支配しようとしたのに対し、古代には、星空と共存する暗闇の中で「内界」に向かい、魂の世界に光を当てた精神文明が存在したことが、明らかにされています。

この文明では、魂の世界との交流が大切にされ、「神託」によって地上の世界が統治されていました。神官たちは、天空に拡がるマクロコスモスと、人間というミクロコスモスは互いに照応し、影響を及ぼし合うと考えていました。

星の配置は、天の意思を告げるサインであり、神官たちは、そのサインと地上の出来事を経験的に結びつける「占星術」によって、祭祀や国事を占っていたと言われています。

私は若い頃に「占星術」に惹かれ、その世界について学んできました。それは、星と人間の関係を読み解くこの精神文明の「叡智」に惹かれたからなのだと思います。

占星術は、自分が生まれた瞬間の太陽と月、惑星の位置から、その人の持って生まれた資質や才能を明らかにします。そして、その配置と現在運行している星の位置を重ね合わせて、その人のこれからの人生を予測します。

ユングは、時代や民族を超えて人類の記憶が蓄積されている集合的無意識の深層に、この古代の「叡智」を発見し、占星術によって心理学に新しい光を投げかけました。

エドガーケイシーは、相談者の「魂の記録」にアクセスし、生まれてきた時の星の配置と占星術の解釈を使って、その人の「人生の目的」や「魂の願い」を明らかにすることが度々ありました。

スエーデンボルグは、占星術に精通していただけではなく、霊の眼を通して見た太陽系の惑星とその住人についての報告を「惑星の霊界探訪記」に著しています。

占星術の話をすると、現代科学を信奉している友人たちから、憐れむような視線を向けられることがあります。しかし、魂の探究者にとって、この叡智は、避けては通れない魅力的な世界なのです。

私たちは今、明るい人工の光に照らされた世界に生きています。しかし一寸先は闇、この先、何が起こるかはわかりません。

未来に希望が持てない終末的な世相を反映して、世の中は占いブームです。ネット占いを含むスピリチュアルビジネスの市場規模は、1兆円をゆうに超えると言われています。

かつては、私も不安と迷いの中で、 占いに救いを求めた時代がありました。しかし、私は今、占星術は「人生の天気予報」のようなものだと考えています。

星のサインは未来を「暗示」してはくれますが、どの道を行くか、最後は自分の意思で選ばなければなりません。

そして「人間万事塞翁が馬」、どの道を行っても、どんなに遠回りをしても、選んだ道は、必ず「魂の故郷」に向かう道につながっていると、私は信じています。

目先の結果に一喜一憂することなく、本当の自分を知り、自分が生まれてきた理由を知るために、占星術の世界の叡智を役立てていただきたいと願っています。

著作者:tawatchai07</a>/出典:Freepik

NATUREで星空をお伝えすることができないので、その代わりに、私が見ている「星の風景」を、最後にお伝えしたいと思います。

2023年3月24日、破壊と再生を司る冥王星が14年ぶりに、山羊座から水瓶座に移動しました。「地の時代」から「風の時代」へ、星のサインは物質中心の世界から精神の世界へとパラダイムシフトが起きることを告げています。

冥王星は、2024年末まで山羊座との間を行きつ戻りつしますが、その後は2043年の11月まで、ずっと水瓶座に居続けます。

冥王星が水瓶座に回帰するのは240年ぶりです。前回、冥王星が水瓶座に入った時は、何が起こったのでしょう。

日本では、浅間山の大噴火と天明の大飢饉が起こり、寛政の改革が行われました。

アメリカでは「独立宣言」、イギリスでは「産業革命」、そして少し遅れて、フランスでは「フランス革命」が起こっています。

国家や組織の秩序や権威が重んじられた山羊座の時代から、個人や隣人との連帯を大切にする水瓶座の時代へ。キーワードは、「自由と平等」「テクノロジー」そして「革命」でした。

社会の変革を促すような出来事が次々と起こる冥王星水瓶座時代、今回はどんな天変地異が起こるのでしょう。

国家や組織の強権支配に対して起きる革命は、今回はどのようなものになるのでしょうか。お金と数の力が支配する格差社会はどのように変革されてゆくのでしょうか。

メタバースやチャットGPTなどのAIテクノロジー、遺伝子操作を可能にしたバイオテクノロジーなど、最先端技術が引き起こす「産業革命」は、どんな社会を作り出すのでしょうか。

今、加速度的に進化し、アップデートされる様々なテクノロジーが、社会に未曾有の混乱を引き起こし、もはや、「物質の次元の方法論」だけでは、山積する課題を解決できないところまで来ていると思います。

これから先、地球上で発生する様々な困難を乗り越えるために、時代は、「魂の次元での変革」を私たち人類に迫っているのではないでしょうか。

今回のキーワードは「魂の再起動」、私は星のサインをそう解釈しています。

2043年、冥王星は魚座に進行します。魚座が支配するのは「見えない世界」、潜在意識での破壊と再生が行われ、物質の世界から精神の世界へのパラダイムシフトは、さらに加速していくことになるでしょう。

私の力量では自分の寿命を占うことはできませんが、おそらく私はこの時代まで生きていないでしょう。それでも永遠の生命を生きる魂として、物質文明の終焉と新しい時代の始まりを、「あの世」からしっかりと見届けたいと思います。

 

酷暑の中、深山幽谷の涼しさをお届けします。


NATURE通信 July.2023 「夏の渓流」
https://nature-japan.com/cat_nature/jul2023/

人生の天気予報としてお世話になっている「占星術」サイトです
https://star.cocoloni.jp

2023/7/24

Tags:内宇宙の旅

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