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愚老庵ノートSo Ishikawa

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桜の記憶

桜の記憶

今年も桜の季節が巡って来ました。 日本列島を北上する桜前線を気にしながら、どのタイミングで桜を撮りに出ようかと落ち着かない日々を過ごしています。

「世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」在原業平がこう詠んだように、桜は古の時代から日本人の心を魅了してきました。

ひとつの花が咲くのを国民が皆んなで待ち焦がれるというのは、世界にも例を見ないことなのではないでしょうか。日本人は何故こんなに桜に惹かれるのでしょう?

桜を収録していて感じるのは、透きとおるような花びらの美しさと遠近感を失ってしまうほどの圧倒的な量感です。そして何よりも、一斉に花びらが散ってゆく散り際の美しさには魂を揺さぶられます。

先人達は、散りゆく桜に自分自身の姿を重ね合わせ、美しさの向こう側に「もののあはれ」や「無常」を感じ取っていました。

最も美しい瞬間に見事に散ってゆく桜。その散り際の潔さは「武士道」のシンボルとして、賞賛され崇拝されてきました。

そして桜は、日本の近代化とともに全国に広がりました。桜をシンボルにした富国強兵政策によって、桜は神社や寺院、学校や公共施設など、全国津々浦々に次々と植樹され、日本人の生活とは切り離せない存在になっていったのです。

「散る桜 残る桜も散る桜」良寛和尚の辞世の句です。太平洋戦争末期、その時代から100年以上前に詠まれたこの句を胸に「カミカゼ特攻隊」の若者たちが散っていったといわれています。

私たち日本人のDNAには、様々な「桜の記憶」が刻み込まれています。集積された「桜の記憶」が、日本民族の集合的無意識の中にしっかりと根を下ろし、桜を特別な花にしているのかも知れません。

動画は「散る桜」の景色を伝えることができます。散り際の桜に出会えなかった方、様々な事情で桜を見に行けない方のために、写真では見られない桜の景色をお届けしたいと思います。
散ってゆく花びらが造り出す生命のリズムに乗って、心の旅に出かけてみてください。

「桜の記憶」をたどるタイムトラベル。その途上では、桜に彩られた出会いや別れのシーンが蘇ってくるはずです。喜びや哀しみ、希望や後悔。その時の自分は、現在の自分に何を語りかけてくるのでしょう。

この旅が、過去の自分と出会い、心の深層で日本人の魂のルーツと出会う旅になることを、心より祈っています。


NATURE通信 Apr.2022 桜吹雪
https://nature-japan.com/post_nature/tsushin-apr2022-3/

2022/4/18

Tags:内宇宙の旅

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