愚老庵ノートSo Ishikawa
重なる波の構図をつくる
伊豆の白浜で夜明けの海を収録しました。
雲ひとつ無い快晴で、朝日に輝く波頭が波間に踊っています。
引きの広い画ではこのドラマを伝えにくいので、望遠レンズを使って、超ローアングルで幾重にも重なる波の構図をつくりました。
躍動感溢れるダイナミックな世界に心を奪われているうちに、いつの間にか収録時間は10分を超えていました。
NATURE通信 Jan.2021 踊る波濤
https://nature-japan.com/post_nature/tsushin-jan2021-2/
重なる波の構図をつくるために
できるだけローアングルにするために、傾斜が緩やかなフラットな浜を選ぶ。傾斜があると遠くの波が重ねにくい。
超ローアングルの画作りができる脚を用意する。
私は、ハイハットと呼ばれる脚(下の写真)を使用しています。
オートアイリス(自動絞り)を使わない。
波の動きで光量が大きく変化するので、画面の明るさがパカパカ動いてしまう。
オートホワイト(自動色温度調整)を使わない。
長時間収録では、朝日や夕陽の色の変化に合わせて、1シーンの中で色温度がクルクル変化してしまう。
手前か奥か、ピントをどこに合わすのか、細心の注意を払う。
望遠レンズとNDフィルターで被写界深度を浅くすると、ピントの合う範囲が狭くなるので要注意。4K撮影ではよりピントがシビアになる。
10分~15分に一回、周期的に寄せて来る大波に注意。
海水を被ると機材は復活できません。ちなみに私は、波打ち際に近づきすぎて、機材を二度、水没させています。
2021/3/28
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