愚老庵ノートSo Ishikawa
水面の反射光で紅葉を撮る
日本列島が紅葉に染まる季節が巡ってきました。この時期はSNSにも美しい紅葉の写真が次々と投稿されます。
「心の旅に出るための動画」を届けるために、NATURE JAPAN ではどのような紅葉の風景を切り出しているのでしょうか。
紅葉の風景から「神秘的な変化」と「生命のリズム」を抽出するには、日差しと風の力が必要です。
順光に輝く鮮やかな紅葉も美しいですが、風景に余白が作りにくいので、私は逆光が造り出す透過光の世界で画づくりをすることにしています。
紅葉を透過する光が、風に揺られて造り出す陰翳の変化とリズム。この時空間は、写真が捉えた「静止した紅葉」とは別の美しさを伝えることができると思っています。
水面の反射光は、さらに複雑で精妙な世界を造り出します。水面の波が造り出すゆらゆらと揺らめく反射光のリズムは、写真や絵画では伝えることができません。
水面の波と日差しと風がひとつに響き合って造り出す「ゆらぎ」の世界は、NATURE JAPAN ならではの紅葉の風情だと思います。
水面の反射光は、新緑の若葉や花などを撮る時にも、風景に変化とリズムを作り出してくれます。この光は「心の旅に出るための動画」 には欠かせないアイテムです。
NATURE通信 Nov.2021 紅葉のゆらめき
https://nature-japan.com/post_nature/tsushin-nov2021-5/
水面の反射光で紅葉を撮るために
そよ風が吹く晴天に収録を行う。
湖や池などの水辺で、反射光が発生する紅葉スポットを探す。
透過光が照らし出すエリアは、太陽とともに移動する。
揺らめく透過光が造り出すリズムを最大限感じてもらえるフレームをつくる。
心の旅に必要な余白を生み出す被写界深度(背景のぼかし)を探る。
葉を揺らす心地よい風を待つ。
2021/11/26
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